つぶやき

観音様

更新日: 2018年7月14日 10時35分

猛暑の中、近所の診療所へ。月に一度薬をもらうための病院通いで、履いていたサンダルを上がり框に向けてそのまま待合室へ。本当に3分(以内?)の診察後、待合室で薬を待つ。今時珍しく良心的な院内処方なのである。

熱い熱い日差しの中おばあちゃんが来院。ちょっと足元が覚束ないので、入り口近くに座っていた私は奥の席に移動。そこで見ているとスリッパに履き替える時、ごく自然に吾輩の小汚いサンダルの向きをソロリと変えられた。

そう、昔のご婦人(失礼)は誰もがみな、このような美しい所作で心を配ってくださっていた。
お顔を拝見すると神々しいほど美しい。
長椅子に座り「ここは涼しいですね。表は大変でした。」と微笑みながら声を掛けられたのだが、それがもう抱きしめたくなるほどかわいい。
観音様がいらっしゃればかくやと思わせる様に見惚れてしまった。

昨日までの大雨のことを話していると、薬が出来た呼び出しにご挨拶して別れたが、こちらの顔の笑顔がしばらくほどけない。
人の心は顔に出る、所作に出る。もうええ歳になった私はまだあのような振る舞いは出来ない。情けない。
悔しいが、生きざまが生みだしただろう見事な笑顔に、暑さを忘れたさわやかなひと時だった。


コメントする

投稿前の注意

  • 他の人に不快感を与える投稿や誹謗中傷するようなコメントはおやめください。
  • コメントを投稿する前によく読みなおして投稿しましょう。