つぶやき

ヒマラヤの聖者

更新日: 2018年7月13日 15時58分

 ヒマラヤの聖者という方のご本を身内の者が買ってきて読んでいたので私も読ませてもらった。
すごい、このテクニックはすごすぎる。途中から到底私には理解できないとあきらめた。

 「何一つ肝心なことを書かず本を上梓する」というこの才能は並大抵の者ではない。どこにも『悟り』を開く具体的な方法は書かれていない。もし書かれているのなら、彼女の『悟り』は私などとは根本的に次元が違うものなのだろう。

 私に読み解けたのは、最終的に悟るには全てを悟ったマスターに出会わなければ無理であるということ。
そしてヒマラヤのマスターは下界に降りてこない。今マスターに出会えるのは日本だけであるということ。
つまりこの方がいま世界で出会える唯一のマスターということらしい。

 その他は美しい押し花を散りばめたように言葉は溢れているが、ただこれでは相田みつおさんや坂村真民さんのように「言葉にできぬものは詩にするしかない」と腹をくくった人達の言葉にも到底及ばぬ。だって何も書いていないのだもの。

 

 いやいや判らぬ。インドでは、「地下に潜る修行に何日間も耐えることが出来る聖者」として、国民的(?)評価を受けているすごいお方らしい。日本のテレビにも出演されたのでお顔を拝見する機会があったが、実に「かわいらしいおばさん」といった風情で親しみやすそうなご様子である。こんな方が嘘をつくとは思えない。
 つまりこの本に何も書いていないのは、意図的に「肝心な秘伝はマスターである私のもとに来て修行しなければならない」ということを伝える宣伝本ということなのだろう。これは時折見かける宣伝文を本にして販売するハラタチ本。とするとかなりの商売上手!

できればご自信の言葉で『悟り』の一端でもご披露いただければありがたいが、おそらくその日の来ることはないだろうという気がしています。


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